子ども=大人の妄想

ITmedia news「漫画・イラストも児童ポルノ規制対象に」約9割──内閣府調査
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/25/news140.html
当該の調査(PDF)
http://www8.cao.go.jp/survey/tokubetu/h19/h19-yugai.pdf

おおむね、はてなブックマークのコメント(http://b.hatena.ne.jp/entry/6293181)と同じような意見なんだけど

近年、子どもたちに悪影響を与える恐れのある以下に示すような情報(「有害情報」と言います。)が
多くなっています。

と最初に「よく読んでもらって」から「面接形式」で答えさせるって、どれだけバイアスかけているのか。
それに面接形式で回収率58.9%って低すぎないか?年齢構成は?


調査法以上に気になったのは
「子どもってだれだ?」ということ。

1 わいせつ画像などの性的な情報
2 暴力的な描写や残虐な情報
3 自殺や犯罪を誘発する情報
4 薬物や危険物の使用を誘発する情報 など

っていうのが「子どもたちに悪影響を及ぼすおそれのある」情報らしいけど、
これって(特に3と4は)大人にとっても「悪影響」があるよね?
ここでいう「悪影響」というのは「実際にそういった情報に基づき、行動を起こすこと」
と解釈してみるけど、それだったらネットで仕入れた情報をヒントに自殺してみたり、犯罪してみたりとかはむしろ大人の中に、いくらでもありそうだ。
であるのに、なぜわざわざ「子ども」を持ち出すのか?
おそらく「子どもは大人と違って、善悪の判断がつきづらく、有害情報に影響され、行動を起こしやすい。」
という暗黙の前提があるからだ。調査はこれを利用している

しかし、後半のQ6、とQ7において、「有害情報」が子どもに与える悪影響の内実が全く変わってくる。

これに関して、個人が持つだけであれば他に害を及ぼさないため現行のままで問題はないとの意見が
あります。一方、被写体となる児童の権利を守る観点から、単に持っているだけでも処罰の対象とすべ
きとの意見があります。(Q6の前に対象者に読ませる文章の一部)

Q6 〔回答票21〕児童ポルノを単に持つことも法律で規制することについてどう思いますか。この中
から1つだけお答えください。

これに関して、実在しない子どもを描くのであれば、他に害を及ぼさないため、現行のままで問題な
いとの意見があります。一方、これらコミック等が児童を性の対象とする風潮や児童に対する性的犯罪
を助長するとの意見もあり、実在する子どもの写真やDVDなどと同様に規制の対象とすべきとの意見
があります。(Q7の前に対象者に読ませる文章の一部)

Q7 〔回答票22〕このような漫画(コミック)や絵(イラスト)を規制の対象とすることについて
どう思いますか。この中から1つだけお答えください。

について、Q6ではそういった「有害情報」を作り出す大人から子どもを守ろうとすること
Q7では「有害情報」に影響を受けた大人から子どもを守ろうということ。


前半で、可能性的には大人も影響を受けることがあるのにもかかわらず、わざわざ「影響されやすいもの」として子どもを設定した。しかし、特にQ7においては大人が有害情報から「悪影響を受ける」ということを暗黙の前提としている。
この変わりようは何だろうか?それだったら前半の質問において「子ども」を持ち出すべきではないんじゃないか?
というか、この展開は、ロリエロマンガ読んでる大人は、子ども並に判断力がない。といっているに等しいよな。
自分の意見の道徳的な正しさを保証して欲しいとき「子ども」は便利だ。ものを言わないから。「自ら判断できない」から。
「子ども」を守ること自体に真っ正面から反対する人間はあまりいない。
「子ども」のためといえば自動的に、議論の必要なく、正しいものになる。