涼宮ハルヒの憂鬱 8話 「笹の葉ラプソディ」

本編というより、新しく作られたEDの感想。
涙腺ゆるんだ。
前作のダンスは、アップロードされた大量の「踊ってみた」ムービーが示すように、
作品世界が、こちら側の世界を浸食するかのような圧倒的パワーがあった。
モニタの向こうのできごとじゃないんだ。こっちでも盛り上がろうぜ、俺たちもSOS団だ、と。
しかし、新ED曲「止マレ!」の歌詞や、実写入り交じった学校風景の映像、
サビの校庭を走るハルヒ達に感じたのは、もはや、過ぎ去った、あるいは、モニタの向こうにしか存在しない
「青春」だった。

どうしようかって悩んだことも
今思えば笑えるほどだったよね
もう忘れたか?

「止マレ!」 作詞:畑 亜貴

このEDによって、現在進行形の祭り=青春であったはずの、前作の再放送分までもが
かつてそこにあった、もはや手の届かない、思い出という意味を帯びる。
忘れたか?そう問うことによって、祭りの記憶が呼び起こされる。
そして、青春はもはや失われた、あるいは最初から無かったという
喪失感が鮮やかに立ち上がってくる。

アニメ版ハルヒは、今を生きる者を束縛する伝説ではなく、感傷的なただの思い出になるのかもしれない。
そうなるために、再び作られるのかもしれない。
だから、是非、単なる佳作の青春アニメとして軟着陸してほしい。
キョンが大人になって、「あの日」の事を思い出す。そんな情景が見えてくる作品になったら最高だとおもう。