!西尾維新『ネコソギラジカル(上)』

ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)

積ん読かないでさっさと読めばよかった。
すげーよ西尾。ミステリも戯言も捨てるとこんな感じになるのか。ライトノベルというのもが、マンガ的世界を現実として描くことで成り立っているとすれば、これはまさしくライトノベル。明らかに少年マンガ的リアリティ。ドラゴンボールのように無限に拡張するのではなく、ハンターハンターの様にある程度閉鎖された世界での戦闘。戦う相手は、「敵」の仕掛ける「物語」。
決定され、予測可能な、(お)約束されたそれに歩く特異点、主人公「いーちゃん」が挑む。これまでの作品の中で一番、作者の書くことへの問題意識(それすらも戯言。かもしれんけど)がすっきりはっきりくっきりとした形で提示されていると思う。
ミステリという駆動装置(作者インタビューでミステリをそんな風に捉えていると言ってたと思う)を持たない物語は、いったいどこへ流れるのだろう。
てーか「クビシメ〜」あたりから、もうすでに全体の構成はあったんだよね?すげーよ維新。