『グーグルGoogle 既存のビジネスを破壊する』佐々木俊尚

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する  文春新書 (501)
自分としては「アテンション」を扱った第五章が興味深く読めた

要するに金や時間、生産量を持っているのが優位なのではなく、いまや、
「人からどれだけ注目(アテンション)されるか」
が最大の価値基準になっているという意味である。

そして、検索エンジンを中心とした基本構造の上で「アテンション・エコノミー」が展開されることでマスメディアの権威が相対的に低下する。らしい。

googleではなく、はてなの話なんだけど、これを実感したのは前回のエントリに沢山のブックマークが付いて、有名ブログや、ニュースサイトと一緒にはてなトップページの「人気記事」一覧にのってしまった時だ。
ネタがタイムリーだった「だけ」なんだけど、これまで断続的にやってきた1年分よりも多くカウンターが回ってしまった。
そうやって多くの人の目についたおかげで共感のトラックバックや、批判のコメントをもらえたんだと思う。
ちょっと『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)』に影響受けすぎかもしれないが、自分の独善的なエントリが一瞬でもパブリックなものになるのは結構面白い。毎日はつらいので時々でいいんだけど。

で、「アテンション」、趣味ではいいかもしれないが、仕事でこれを奪い合う時代というのは、しんどいと思う、一度や二度注目を集めるはできるかもしれない、でも常に注目の上位に立ち続けるのはつらい。でも、上位なければ「存在しない」んだから上位に立つ続けなくてはいけない。
はてなブックマークみたいにブログではなく、エントリ単位で注目度を競い合うようになった場合、アテンション資源みたいなものの蓄積は全くできない、キーワード検索でも一緒。常にはじめの一歩からの戦いになる。メモリーカード無しでFFシリーズをやりつづけるみたいな絶望感におそわれるかもしれない。
頼みの綱「ロングテール」も尻尾の節目節目をタテ軸で考えるなら「パレートの法則」が発生してしまうのではないか。と想像する。比較的近い高さでのヨコ軸でもそう。

他の章も興味深い記事があるので、読んでみてください。